「世界を変える」量子コンピューター技術
インターネットの次に世界を変えると考えられているのが人工知能(AI)ですが、そのAIと親和性が高く、同じくらい「世界を変える」と考えられている分野が存在します。それは「量子コンピューター」の技術です。
現在、私達が普段利用しているコンピューターは「0」と「1」の2進法で表現する「ビット(Bit)」を使って計算処理を行っています。
これに対して、量子コンピューターは「量子ビット(Qubit)」を使って計算処理を行っており、「0」と「1」の2つの状態を同時に取る事が出来ます。これを「重ね合わせ状態」と呼び、従来のコンピューターの数千倍以上の演算能力を持つと言われています。
量子力学とは?
量子コンピューターの原理を支えているのが「量子力学」です。「量子」とは、物質や光などの物理現象における最小単位で、量子の持つ物理的な特徴は「量子効果」と呼ばれ、とても不思議な振る舞いをする事があります。量子力学の不思議な振る舞いとしては、下記の動画にある「2重スリット実験」が有名ですね。一度見てみる事をオススメしますよ。
こういった極微の世界で起こりえる物理現象や「重ね合わせ」といった特性を利用して、演算能力を向上させたのが量子コンピューターなのです。
量子コンピューターの圧倒的な演算能力
例えば、日本のスーパーコンピューター「京(けい)」の存在は多くの方がご存知かと思います。スーパーコンピューターと言えば、正に人智を結集させたような演算能力がある訳ですが、例えば富士通が現在開発している量子コンピューター「デジタルアニーラ」は、スーパーコンピューター京で8億年掛かる計算を、たった1秒で解いてしまうそうです。
スパコンで8億年も掛かる演算を、僅か1秒で解いてしまう─。これだけで、次世代型コンピューター「量子コンピューター」がどれ程凄いものかはご理解頂けるのではないでしょうか。
正しく「世界を変える」技術になるのではないかと考えられています。
世界中の主力IT企業が積極投資・政府も支援表明で国策銘柄分野に
量子コンピューター分野には、米国のグーグル、アマゾンやフェイスブック、アップルなど「GAFA」と呼ばれる時価総額上位の主力IT企業が人工知能(AI)と同水準で積極投資を行っています。
また日本政府も18年度から大学などの研究支援を拡充する方針を明示、未来を担う技術として産官学の連携に傾注する構えです。国家の後押しも必要な次世代技術として大きな注目を集めています。
量子コンピューターの用途と人工知能(AI)の関連性
量子コンピューターの用途としては「創薬」「投資ポートフォリオ」「物流」「パーソナライズ広告」など様々な分野で利用されますが、2019年以降の大本命テーマ株として注目される「人工知能(AI)」や「IoT」の分野においても存在感を示す事になりそうです。
特に人工知能(AI)の飛躍発展に必要な技術として、親和性が高いテーマだけに、これから更に「量子コンピューター関連株」への物色人気が集まる可能性が高いと言えるでしょう。
スイング注目株・量子コンピューター関連銘柄
量子コンピューター関連銘柄としては前述の【6702】富士通や【6701】NEC、【6501】日立、また通信メガキャリア【9432】NTTなどが積極参画していますが、当該欄では比較的時価総額も低めなスイングトレード向きの銘柄をピックアップしたいと思います。
【2693】YKT |
子会社が量子コンピューター機器取り扱い |
【3655】ブレインパッド |
量子コンピューター・AI関連からビジネス拡大 |
【3687】フィックスターズ |
量子コンピューター世界初商用化したカナダ企業と協業体制 |
【3858】ユビキタス |
量子コンピューター・AI関連からビジネス拡大 |
【4736】日本ラッド |
量子コンピューター・AI関連からビジネス拡大 |
【6864】NF回路 |
量子コンピューター向け信号増幅装置を提供 |
量子コンピュータの将来性に期待
量子コンピューター分野においては米国が既に200億円を投じて開発を進めていますが、他にも英国政府も500億円を投資しており、欧州連合(EU)は2019年から10年で1250億円規模の大型プロジェクトを立ち上げる計画となっています。
日本でも文部科学省が10年後の実用化へ向けて2018年度から300億円を集中的に投じて開発を支援しており、今後更に開発競争が先鋭化しそうな勢いです。
現存するスーパーコンピューターが8億年掛かる計算を僅か1秒で済ませてしまう量子コンピューターは、私達の想像を遥かに超えた発見を様々な分野で齎す事になるかもしれません。例えばこれまでに完治が難しいとされていた病気の治療薬の発見や、宇宙の謎を解いてしまう可能性まであるかもしれませんね。
「世界を変える」技術は人工知能(AI)だけではありません。量子コンピューターの技術にも大きな注目が集まります。
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