スイングトレードの手法は「テクニカル分析」「ファンダルズ分析」どっちがいいのか?
パニック相場中ということもあるので、昨日に引き続き相場全体をテーマにした内容を書いてみたいと思います。また、簡単に現在の相場状況をテクニカル分析・ファンダルズ分析双方から、「今、相場はどんな局面にあるのか?」「日経平均20,000円回復はあるのか?」といったことを分析してみました。
私が株式投資を始めた頃、スイングトレードの手法は「テクニカル分析」「ファンダルズ分析」どっちがいいのか?気になって良く調べていた時期があります(苦笑)もし、私と同じように気になっている方がいたら参考にしてみてください。
なお、私のスイングトレードの手法は、ダウ理論を基軸としたレジスタンスラインとサポートラインを引いたプライスアクショントレードです。テクニカル分析と言っても、使うのはダウ理論・ローソク足・水平線・トレンドラインだけなのでその点はご了承ください。
スイングトレード手法 ダウ理論で環境を認識しよう!
下の図は日経平均株価の週足チャートです。
週足チャートを見てみると、前回の高値を切り下げ、いま正に安値を試そうとしている局面なのが分かります。ダウ理論によると現在の相場は、中期トレンドはレンジ相場中であると判断できますね。
次の図は日経平均株価の月足チャートです。
赤い□の中で株価が上下している間はまだレンジ相場
1月4日から続いている下落の波が前回の安値16,900円を割るようなことになると、月足レベルの大きな長期トレンドはレンジから下落トレンドへと変わり、「トレンド転換」の可能性が高まります。今はまだギリギリ前回の安値を割っていないので、明確なトレンド転換サインは出ていませんが、多くの投資家が17,000~16,900円付近のサポートライン(抵抗帯)を割るかどうかに注目しているってわけですね。
ボックスの下限付近まで株価が落ちてきたので、絶好のエントリーポイントと言えますが、まだ底値圏のチャートパターンが確認できていません。「頭と尻尾はくれてやれ!」の格言の通り、私は直ぐにエントリーするのではなく、しっかり反発を確認した後にエントリーするようにしています。サポートラインにタッチした瞬間に逆張りエントリーする方がいますが、事故る確率が高いので止めた方がいいと思います。
スイングトレードの手法 ダウ理論の3つの局面って何?
トレンドが転換するかもしれない重要な分岐点であるのが分かったところで、次はダウ理論の3つの局面を考えてみます。
相場のトレンドには3つのフェーズがあり、①一部の投資家の買い集め時期、②一般投資家の総参加期、③一部投資家の売り抜け時期に分けられトレンドを形成しているといわれています。※下落局面ではこの逆になります。
一部の投資家とは、日本国内外の機関投資家・ファンドを含めた、法人・個人投資家を指しています。簡単に言えばプロのこと。
①の一部の投資家の買い集め時期にあたる初動段階ではゆったりと動き始めます。やがてトレンドが発生し、一般投資家が市場全体がトレンドが変わったことに気付きはじめると、買いが買いを呼び、②の加速期に入ります。そして①で買い集めた一部の投資家達が売り抜ける③一部投資家の売り抜け時期になり、トレンドの終焉を迎えると言われています。
合わせて読みたい記事
現在の相場はどんな局面にあるのか?
現在の相場をみてみると、「優れた一部の投資家の売り逃げ時期」を過ぎ、「一部の投資家の売り集め時期」に差し掛かってきているとみることができます。多少の株価変動ではピクリとも動かない大口の長期投資家(機関・ファンドなど)が資金を引き揚げ、売り浴びせている局面ってことになりますが、本当でしょうか?
日本株に多大な影響を与えている外国人投資家の動きをみると、ダウ理論はあながち間違っていないことが見えてきます。一旦、ダウ理論から離れ、ファンダメンタルズをみてみましょう。
ファンダメンタルズを分析してみる
視野を世界に広げ、グローバルな長期投資家の動向を見てみたいと思います。
昨年夏頃からオイルマネーの流出を示唆する声があちこちで散見されるようになりました。オイルマネーは要は原油原産国サウジアラビアを筆頭とする中東の巨額マネーのことで、世界の運用資産の1割程度を占めると言われていますが、原油価格の低迷・依然として原油産油量を保ったままの2位のロシアの存在・アメリカのシェールオイル革命・イランの原油輸出制裁解除など、一時期は枯渇すると騒がれていた原油の過剰在庫が異常レベルに達しており、原油の暴落が止まりません。
産油国サウジアラビア政府系ファンド(SWF)は、2015年5月以降、保有する欧州株を売却。サウジ通貨庁(SAMA)も株式13%を売却。世界規模で数百億円規模の資金を引き上げています。当然、日本株からも手を引く動きが見られ、昨年8月のチャイナショック以降、四季報をみると産油国の政府系ファンドとみられる大株主(サジャップ、ジユニパーなど)が次々と姿を消しています。
原油国の投資家は欧州経由で売買することが多いと言われていますが、チャイナショック時の欧州経由の売り越しは、売り越し総額全体の70%を占める1兆8009億円にも及び、大部分はオイルマネーの資金引上げとみられています。ブルームバーグによると、2015年度の売り越しは濃厚でリーマン・ショックのあった08年以来7年ぶりになるそうです。
つまり、8月のチャイナショック以降、オイルマネーは株式市場に戻ってきていないということになります。換言すれば、一部の投資家は資金を引上げたままで、8月-12月の株式市場は短期投機家の資金を中心に回っていたことになりますね。6月の日経平均20,000円と、12月の20,000円とでは、構成中身が全く違ったということでしょう。
昨年後半から大型株から小型株へ、外需から内需へとトレンドが変わりましたが、時価総額が小さなマザーズが話題になり、大型株が盛り上がらなかったのはオイルマネー・大口の長期投資家の資金流出と無関係ではないような気がします。
これら背景を考慮すると・・・
2016年「日経平均20,000円回復はあるのか?」と問われれば、うーん、簡単ではなさそうですよね。
>投資部門別売買状況│日本取引所グループ
>海外投資家、2015年の日本株売り越し濃厚-株高局面で89年来珍事 (2)
スイングトレードの手法で「テクニカル分析」と「ファンダルズ分析」って結局どっちがいいのか?
昨年後半から現在までの相場の流れをザックリと追ってみて・・・
ダウ理論では、あらゆる事象は市場価格に織り込まれるという考え方を根本的にしますが、原産国ファンドの資金引上げについては同時に原油・為替・欧州株価などのチャートを複合的にみれば、ある程度は、市場の変化・流れに気付くことができますし、ダウ理論3つの局面で環境の認識は十分に可能です。
細かいこと言ってしまうと、テクニカル分析はエントリータイミングを計るものだったりしますので、スイングトレードの実践においては不可欠なものです。比較すること自体が愚問といえばそれまでなんですが、どちらも駆使してトレードに挑めれば最強じゃないでしょうか?(苦笑)どちらかしか選べないというなら、私はテクニカルを選ぶと思います。それほど私のスイングトレード手法には欠かせない道具になっているのは確かです。
今回は、私が株をはじめたばかりの頃に、「株 テクニカル ファンダメンタルズ どっちが儲かる」などのキーワードで検索していたのを思い出しテーマにしてみました。上手くいっていない方のヒントになれば幸いです。
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