終身雇用、年功序列に続いて退職金制度まで無くなる?
昭和の時代に強く根付いていた「終身雇用」「年功序列」が今、大きく音を立てて崩れようとしています。今年3月に【6702】富士通が45歳以上の従業員へ早期退職募集を行っている事が報じられて、波紋が広がりました。
何しろ、現在の株式市場では人手不足とされており、「人材紹介」「人材派遣」といった分野は業績も好調でしたから、驚いた方も多いと思います。
年功序列・終身雇用の終焉か?!富士通が45歳上5000名をリストラ対象へ≫
また定年を迎えたサラリーマンにとっては、退職金は「悠々自適な老後生活」への大きな楽しみ、象徴のような存在だったと思います。今、「終身雇用」「年功序列」と同じく「退職金」制度そのものが無くなる可能性が出て来ているそうです。
厚生労働省の「就労条件総合調査」は約5年ごとに退職金に関する調査を実施していますが、大卒者の定年退職者(勤続20年かつ45歳以上)の退職金の平均額は、1997年の2871万円をピークに下がり続けており、2017年は1788万円と、この20年間で1083万円も下がっているそうです。
また、そもそも「退職金制度が無い」という企業も増加しているそうです。退職金制度の無い企業は93年には8%だったのが、2017年には19.5%まで増加しています。つまり、現在は5社に1社は「退職金が無い」という事になります。
ただでさえ老後の不安を抱えている現役世代の人にとって、退職金まで出ないとなれば、それはもう老後に備えて貯金をするしかない訳で…、「若者の車離れ」「若者のお酒離れ」などが大きな話題を呼びますが、「老後に備えなければならないのに、車なんて買えるか」というのが本当のところなのではないでしょうか。これでは経済が回る筈がないですよね。
平成も残すところ一週間、新しい時代「令和」となる訳ですが、このままだと「退職金制度」そのものが消失していく可能性もありそうです。何とも世知辛い世の中ではありますが、政府は「人生100年時代」を推し出して定年後の雇用継続や再雇用などに今後は大きな注目が集まりそうです。
人生100年時代とは…英国ロンドンのリンダ・グラットン教授が長寿時代の生き方を説いた著書「ライフ・シフト」で提言した考え方です。平均寿命が延びた事で、これからは100年生きる事を考えた人生設計が必要としています。
最近、広告などで「人生100年時代」のキャッチコピーを見聞きする機会が増えましたよね。
日本政府は2018年6月に「人生100年時代構想会議」を開き、様々な分野で「人生100年時代」に合った経済・社会システムを構築して行く方針である事を発表しています。その中でも「教育」や「学び直し」、または「高齢者雇用」が具体的なテーマとして挙げられました。
それに付随して注目されるのが「人生100年時代」のテーマ性の関連銘柄です。
人生100年時代関連銘柄【2471】エスプール
時価総額:41,534百万円
4月19日時点株価:2,632円
年初来高値:2,829円(19/04/10)
年初来安値:1,420円(19/01/04)
団塊世代以降の世代は今後、年金だけでは生活するのが難しいとされ、定年後の「高齢者雇用」に対して大きな需要が起こる事が予想されます。また政府も「人生100年時代」を掲げている以上、「高齢者雇用」に対して何かしらの政策が必要とされるでしょう。
少し長期目線のテーマ性とはなりますが「人生100年時代」「高齢者雇用」のテーマ株には注目しておきたいですね。
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